ストーリー

 

荒れ狂う日本海のような戦乱の世に生きた謙信が、養子三郎のふるさと小田原の穏やかな海に平穏な天下を重ね合わせるとともに、三郎に備わる穏やかな威厳に、狂乱の世を鎮める者として毘沙門天により遣わされた自分の後継者であると感じ、自らの幼名「景虎」を与え、自分の意志を託しますが、図らずも謙信自らの突然の死が、跡目争いの戦乱を起こし越後の地を血に染め、景虎は炎に包まれた鮫ヶ尾城で妻の華姫とともに短い生涯を閉じます。

 このオペラ「景虎」は、上杉三郎景虎の生涯のうち、上杉謙信の養子となり春日山城への入城、華姫との出会いと祝言、そして謙信の幼名「景虎」の名を与えられる場面をメインに謙信の死までを第1幕に。跡目争いの勃発と御館への敗走、和睦決裂と道満丸の死、そして鮫ヶ尾城での自刃により幕を閉じるまでを第2幕にした、2幕構成となります。

 台本・作曲は、平成28年度に実施した「オペラ『景虎』作曲・台本コンペティション」の採用者である、江尻裕彦氏、根本卓也氏。台本は江尻・根本両氏の共同執筆、作曲は根本氏が行い、平成30年1月8日に初稿が完成しました。

 指揮は、東京オペラ・プロデュースのオペラ制作プロデューサーであり、コレペティートル(歌手のコーチを務め、指揮者の代役を務める事のできるピアニスト)出身の指揮者として、数々のオペラ作品を手がけるオペラのスペシャリスト、飯坂純氏。

 演出は、文学座演出部に所属するもオペラ演出も手がけ、新国立劇場のオペラ「ワルキューレ」(2016年)、オペラ「ジークフリート」(2017年)公演や、長岡リリックホールのオペラ「てかがみ」(2016年)公演の演出助手を務めるなど、気鋭の若手演出家・生田みゆき氏。

 タイトルロールは、三国一の美男子と言われた「景虎」役に違わぬ美形テノール・山本耕平氏。その伴侶「華姫」は、上越市出身で日本オペラ界の次代を担うホープ・高橋維氏が演じるほか、ベテランソリスト陣が脇を固めます。

 合唱団は、白狐合唱団をはじめ、アートステージ音楽祭に出演した合唱を中心に、更に参加者を公募して編成します。また、児童合唱も、文化ホール所属の「けやきの森ジュニア&ユース合唱団」を中心に、これも参加者を公募いたします。

 照明は、オペラ「白狐」世界初演で、物語に寄り添う幻想的な明かりで深い感動を作り出した、オペラ照明の第一人者・矢口雅敏氏が、戦国時代の騒乱と謙信の願いであった平穏を照明で表現します。

 オペラ「白狐」感動の世界初演から5年となる平成30年、ここ越後妙高の地で、その短い生涯を閉じた悲劇の戦国武将「景虎」の物語~オペラ「景虎」~が世界初演されることは、妙高市からの文化発信として、大変意義深いものであると考えます。